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多田 健一; 須山 賢也
Proceedings of 2017 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2017) (CD-ROM), 4 Pages, 2017/04
評価済み核データライブラリJENDLの品質と精度向上には、積分実験による核データの妥当性検証が必要である。積分実験を用いた妥当性検証には、多くの手間と時間が必要であり、自動化システムの開発が求められてきた。自動化システムの実現には、核データ処理、積分実験解析及び解析結果の編集が必要となる。これらのうち、核データ処理については原子力機構が開発を進めている国産核データ処理システムFRENDYを用いることで核データ処理の自動化が実現された。そこで本研究では、積分実験解析及び解析結果の編集を自動化させるため、自動核データ検証システムVACANCEを開発した。VACANCEは入力の自動探索機能や編集機能の他に、並列計算機能やリスタート計算機能など、積分実験解析で必要な多くの機能を有している。FRENDYとVACANCEを組み合わせることで、効果的な核データ検証が可能となる。本発表では、VACANCEの機能の概要について報告する。
Dietze, K.
JNC TN9400 99-089, 20 Pages, 1999/11
核燃料サイクル開発機構の炉心核特性解析手法JENDL-3.2/SLAROM/CITATION/JOINT/PERKYを用いて、ルッセンドルフ研究所の高速・熱中性子炉心RRR/SEGで行われた積分実験の解析を行った。このルッセンドルフの実験の一部として、中性子束及び随伴中性子スペクトルの異なる5つの体系において、純粋な核分裂生成物及び構造材についてのサンプル反応度の測定が行われた。この実験では、中性子捕獲や散乱の効果に対して大きな感度を持つような随伴中性子スペクトルとなるよう設計がなされている。今回の解析で得られた中性子スペクトル及び随伴中性子スペクトルは、以前に欧州解析手法JEF2.2/ECCO/ERANOSにより解析された結果と良く一致した。また、炉中心のサンプル反応度のC/E値についても検討している。両解析手法による結果には差が見られ、これらの差は、核データライブラリ、計算コード、自己遮蔽効果の取扱方法の違いにより生じたものである。誤差範囲を超えて違いの見られる結果についての議論も行っている。
中島 宏; 高田 弘; 明午 伸一郎; 春日井 好己; 池田 裕二郎; 大山 幸夫; 渡辺 昇*; ASTE共同チーム
Proc. of 14th Meeting of the Int. Collaboration on Advanced Neutron Sources (ICANS-14), 1, p.457 - 467, 1998/11
AGS加速器による1.5,7.0及び24GeV陽子を用いて水銀ターゲットの諸特性を測定する核破砕ターゲット積分実験を行った。ここでは、Neutronics等の実験の基本となる入射陽子ビーム形状及び投入陽子量を測定した。ビーム形状測定では、マルチワイヤプロファイルモニタとイメージングプレートの二種類の方法を用いて、上記の入射条件についてビーム入射位置及び強度分布を明確にした。投入陽子量の測定では、Cu(p,x)Na放射化反応を用いて12%程度の精度で絶対値を求めた。本測定結果は、AGSリング内のビーム強度測定装置による測定値と比較して、24GeVの場合5%程度で一致したが、1.5GeVでは23%低かった。この差は、ビームラインにビーム収束装置が設置されていないことによりビームが発散したためである。このビームの発散については、イメージングプレートによる測定でも確認された。
高田 弘
Proc. of JHF Symp. on Neutronics and Radiation Shielding for Spallation Neutron Source, p.205 - 218, 1998/00
核破砕中性子の発生と輸送特性に関するデータを取得し、計算コードの予測精度を検証するために、500MeV陽子を鉛体系に入射させる核破砕積分実験を行い、種々の放射化検出器の体系内反応率分布を測定した。NMTC/JAERI-MCNP4Aコードシステムを用いて解析計算を行い、実験結果との比較を行った。この結果、MeV領域に感度の高い放射化検出器の反応率分布について、計算は実験結果をよく再現した。しかしながら、20MeV以上のしきいエネルギーを有する放射化検出器については、計算は実験よりかなり低い値を与えた。厚いターゲットを用いた中性子エネルギースペクトル測定の解析結果との比較により、この不一致の主要な原因は、NMTC/JAERIコードが数十MeV領域の中性子収量を低く評価することにあることがわかった。
山本 俊弘; 桜井 淳; 須崎 武則; 新田 一雄*; 星 良雄; 堀木 欧一郎*
Journal of Nuclear Science and Technology, 34(12), p.1178 - 1184, 1997/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)主要な核分裂生成物元素であるRh,Cs,Nd,Sm,Eu,Gdの熱外中性子領域での断面積評価に利用可能な実験データを示す。TCA(Tank-type Critical Assembly)の炉心中心に挿入されたカドミウム被覆の容器に純水と核分裂生成物元素を含む水溶液を入れたときの臨界水位の差から反応度効果を求めた。それらの値は実験誤差と比べて有意な値であった。随伴熱中性子束はカドミウムカットオフエネルギー以下では容器内で大きく低下するので、熱外中性子領域での反応度効果を測定することができる。この実験に対する解析をSRACコードシステムと中性子輸送計算コードTWOTRANを用いて行った。核分裂生成物元素の反応度効果の計算には厳密摂動論を用いた。JENDL-3.2及びENDF/B-IVを用いて計算した反応度効果を測定値と比較したところ、JENDL-3.2は妥当な結果を与えた。
桜井 淳; 山本 俊弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 34(2), p.202 - 210, 1997/02
被引用回数:3 パーセンタイル:30.34(Nuclear Science & Technology)主要な核分裂生成物元素の反応度効果を測定した臨界実験のベンチマークモデルを提示する。核分裂生成物元素としてはロジウム、セシウム、ネオジウム、サマリウム、ユウロピウム、カドリニウム、エルビウムを選択した。これらの元素は、TCA(Tank-Type Critical Assembly)の燃料配列の中心部分に挿入された容器内に溶解している。容器内の水溶液の原子個数密度を算出した。この原子個数密度を使って、MCNP 4A、TWOTRAN及びJENDL-3.2断面積ライブラリーによる臨界計算を行った。
高田 弘; 明午 伸一郎; 佐々 敏信; 深堀 智生; 坂本 幸夫; 義澤 宣明*; 降旗 しおり*; V.I.Belyakov-Bodin*; G.I.Krupny*
Proc. of 3rd Workshop on Simulating Accelerator Radiation Environments (SARE3), p.255 - 263, 1997/00
核破砕ターゲットにおる中性子輸送特性データを取得するために、0.895及び1.21GeV陽子を直径20cm,長さ60cmのタングスタンターゲットに入射射せる核破砕積分実験を行った。実験では種々の放射化検出器を用いて、Al(n,d)Na,Bi(n,xn)反応などについて円筒表面上の反応率分布を測定した。解析では、NMTC/JAERI-MNCP4A,HERMES及びLAHETの3種類のコードによる計算を行い、JENDLドシメトリファイル及びALICE-Fコードによる核種生成断面積を用いて反応率を求めた。計算結果と実験結果との比較を行った結果、入射明から30cmまで位置の反応率について、3種類のコードのうち、LAHETコードによる結果が実験結果と最も良く一致することがわかった。これは前平衡衝過程が考慮されているためである。この場合、C/E値は0.8~1.2の範囲にあった。55cmの位置では、全てのコードでC/E値は他の位置よりも極端に大きくなった。
高田 弘; 明午 伸一郎; 佐々 敏信; 辻本 和文; 深堀 智生; 安田 秀志
Proc. of 3rd Workshop on Simulating Accelerator Radiation Environments (SARE3), p.284 - 292, 1997/00
核破砕中性子の発生と輸送特性に関するデータを取得するために、500MeV陽子を鉛体系に入射させる核破砕積分実験を行った。実験では、種々のエネルギー感度を有する放射化検出器の体系内反応率分布を測定した。また、NMTC/JAERI-MCNP4Aコードシステムを用いて解析計算を行い、実験結果と比較した。この結果、MeV領域に感度の高い放射化検出器の反応率分布について、計算と実験は良く一致した。しかしながら、放射化検出器のしきいエネルギーが高くなるにつれて、計算と実験の一致は悪くなった。この主要な原因は、NMTC/JAERIコードが数十MeV領域の中性子の生成を低く評価することにあることがわかった。
滝塚 貴和; 西田 雄彦; 佐々 敏信; 高田 弘; 明午 伸一郎; 水本 元治; 長谷川 和男
Global 1995,Int. Conf. of Evaluation of Emerging Nuclear Fuel Cycle Systems, 0, p.489 - 496, 1995/00
原研の陽子加速器を用いた消滅処理の研究開発では、消滅処理システム概念検討、核破砕解析コード開発、核破砕積分実験、大強度陽子加速器開発を進めている。システム概念検討では、固体システムと溶融塩システムの2つの消滅処理専用高速システム概念を得た。システム設計に用いる核破砕解析コードの開発を進めるとともに、その予測精度の検証と改良のために核破砕積分実験を行っている。大強度陽子加速器の要素技術開発を進め、低エネルギー部の主要コンポーネントの開発、試験に成功した。
中村 知夫; 大山 幸夫; 池田 裕二郎; 今野 力; 前川 洋; 小迫 和明*; M.Z.Youssef*; M.A.Abdou*
Fusion Technology, 19(3), p.1873 - 1878, 1991/05
核融合炉物理用中性子源施設(FNS)において新しく模擬線状線源の実験装置を開発した。これは、日米協力実験計画の第3段階に対するもので、拡がりを持った中性子源と長軸環状の実験体系によって複雑なトーラス形状のブランケット構成をするには、固定した点状源に対し実験系を相対的に運動させる方法をとった。このため特別設計の長尺ターゲットアセンブリーと架台移動設備及びその制御装置を設けた。移動はマイコンで段階状あるいは連続的に行うことが可能で、中性子生成モニター、実験用検出器信号及び架台位置情報を自動的に収集する。本設備で中心部1mにわたり平坦な一次中性子源が実現できた。この設備により非対称なポロイダル方向構成やトロイダル方向に非均質なブランケット系についての実験を進めることが出来るようになった。
大杉 俊隆; 吉田 弘幸
JAERI-M 83-188, 61 Pages, 1983/11
本論文では、(1)不銹鋼(AISI316)の代りに代替構造材核種(V、Ni、Ti、Mo、Nb、Cu、Mn)を燃料ピン被覆管、燃料集合体ラッパ管に使用した場合の大型高速炉の臨界性、燃焼特性、増殖性、Naボイド反応度効果に与える影響を検討し、(2)大型高速炉の部分的模擬体系FCA XI-1集合体における代替構造材核種の核特性測定の可能性をNaボイド反応度効果を中心として検討した。上記の核種の中では、V、Ti、Niは臨界性、増殖性、Naボイド反応度効果の観点から不銹鋼と匹敵するかあるいはよりすぐれた構造材であることを示した。同時に、これらの特性は解析に使用した核データの精度に依存するので、構造材の炉物理特性を明確にする積分実験は、上述のすぐれた特性を検証し、かつ、核断面積データを評価するための有用な積分実験となりうることを指摘した。
シグマ研究委員会
JAERI-M 9999, 358 Pages, 1982/03
シグマ研究委員会主催による核データ研究会が昭和56年11月26、27日に原研東海研で開かれた。研究会の主題は、(1)核データの不一致の現状、(2)遅発中性子データ、(3)JENDLの積分的検証、(4)燃料サイクルの核データ、(5)核融合炉核データに関する積分実験、(6)ガンマ線生成核データ、の6項である。発表された報告は約20件で、それぞれの発表後に行われた質疑応答の記録と共にこの報文集に収められている。
多田 健一
no journal, ,
積分実験を用いた核データの検証は、重要な核データ検証プロセスの一つである。近年、核データや核計算コードの高度化に伴い、これらに求められる精度要求が厳しくなってきており、積分実験を用いた核データの検証の重要性が高まってきている。積分実験を用いた核データの検証には、炉物理や核データ処理、核計算コードに関する深い知識が必要であり、核データ評価者だけで実施することは困難であり、長年炉物理の専門家が担当してきた。また、これらの作業は多くの手間と時間が必要であり、今までのJENDLの検証でも多くの労力が割かれてきた。そこで、次期JENDLに向けた効果的な核データ検証サイクルを実現するため、これらの作業を自動化し、核データ評価者自身が積分実験を用いた核データの検証が行えるシステムを構築するため、臨界実験解析と解析結果を編集する自動核計算実行システムVACANCE(Validation Environment for Comprehensive and Automatic Neutronics Calculation Execution)を開発した。本発表ではVACANCEの機能の概要と核データ評価とそれに連なる臨界実験解析の例について発表する。
福島 昌宏; Goda, J.*; Bounds, J.*; Cutler, T.*; Grove, T.*; Hutchinson, J.*; James, M.*; McKenzie, G.*; Sanchez, R.*; 大泉 昭人; et al.
no journal, ,
鉛の散乱断面積の積分評価に資する新たなベンチマークデータを取得するため、米国National Criticality Experiments Research Center (NCERC)の臨界実験装置COMETを用いて、複数の実験体系において鉛ボイド反応度価値に関するシリーズ実験を行っている。鉛の散乱断面積に対して異なる感度を有する相補的な実験データセットを得るように、燃料組成の異なる(高濃縮ウラン, 低濃縮ウラン, プルトニウム)体系を構成した。本報では、シリーズ実験の全体概要とこれまでに測定が終了した濃縮度の異なる2つのウラン体系での結果について報告する。JENDL-4.0及びENDF/B-VII.1による実験解析では、低濃縮ウラン体系では実験値をよく再現する一方で、高濃縮ウラン体系では大きな差異が判明した。
横山 賢治
no journal, ,
OECD/NEA/NSC核データ評価国際協力ワーキングパーティ(WPEC)のサブグループ44(SG44)では、(1)核データ共分散の品質基準の作成、(2)二次中性子や角度分布等の新たな物理量に対する共分散データの収録方法、(3)共分散データの新しいデータ形式の定義等が議論されている。このうち、(1)に関連して、核データ評価において積分実験データを参考にした場合の共分散データ(相関係数)の評価方法が議論されている。SG44では、この相関係数を推定する方法を検討するために、炉定数調整法等のデータ同化手法で積分実験データを利用したときに生成される相関係数に関する数値計算ベンチマークが提案されている。このベンチマークの目的は、核データライブラリ, データ同化手法, 積分実験データ等に依らず、相関係数が一定になる可能性を探ることである。もし相関係数が一定になれば、この共分散データの評価方法を大幅に簡素化できる可能性がある。このベンチマークの提案を受けて、原子力機構が開発している汎用核データライブラリJENDL-4.0と高速炉用の積分実験データベースを用いて相関係数を計算した。この計算結果から、利用する積分実験データを変更すると相関係数は有意に変化することを確認した。
渡嘉敷 幹郎*; 池原 正*; 多田 健一; 江川 透*; 横山 賢治; 岩本 修
no journal, ,
バイアス因子法は原子炉特性の予測値の不確かさを低減する手法として、広く利用されてきた。本研究では、数値モデルの不確かさを無視することができ、かつ断面積の共分散データが信頼できると仮定した上で、拡張バイアス因子法を用いて信頼できる実験データを特定することを試みている。本発表では、ベンチマークセットからサンプルしたベンチマークケースの実際の測定値と予測値を比較する。また、本発表ではそれらの比較と測定値及び予測値の不確かさが測定値の信頼性の程度を得られることも示す。